△町が△市に変わったり、そもそも町村と市の明確な違いとはなんでしょうか?
かつては町だったけれど、途中で市に変わる市ってたくさんあるよね
例えば、埼玉県の蕨(わらび)市を例にすると、
- 明治22年(1889年)に蕨宿と塚越村が合併して蕨町が誕生。
- 昭和34年(1959年)に市制施行し蕨市が誕生。
というふうに、町だった自治体が途中で市制施行して市に変化していることがわかります。
市制施行とは?
市制とは
市制とは、日本の市について基本構造を定めた法律のことです。明治21年(1888年)に規定、さらに明治44年(1911年)に改正、昭和22年(1947年)に地方自治法の施行によって廃止されたとのことです。(wikipedia 市制より)
市制が廃止されたのに、その後に市制施行って?
地方自治法の市制施行とは
地方自治法の第8条に市となるべき条件が記載されています。
一 人口5万以上を有すること。
(法令リード「地方自治法」より)
二 当該普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上であること。
三 商工業その他の都市的業態に従事する者及びその者と同一世帯に属する者の数が、全人口の六割以上であること。
四 前各号に定めるものの外、当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件を具えていること。
この条件を満たす場合に町から市に変更できるとのことです。市制が廃止され、その後制定された地方自治法に市の条件について記載されるようになりましたが、市制施行という言葉で表現されるようになりました。
市と町村と違いとは
市になると何かいいことあるの?
市と町村の違いについては、総務省がまとめている資料があります。が、正直ちょっとわかりにくい点があります。
例えば、
市については「福祉事務所を設置し、生活保護法に基づく保護の決定などの事務を行う。」とあり、
町村については「福祉事務所を設置する町村においては、保護の決定等の事務を行う。」とあります。
それって福祉事務所が義務で設置されるかされないか、という部分に大きな違いがあるということでしょうか?
福祉事務所を設置できるということは、住民サービスが充実できるというメリットがあります。町村の場合は県の福祉事務所に書類提出が必要になりますが、市になればそれが実業把握から措置まで一体化することができるとのことです。
他には、専門職員を配置できたり、地方交付税について町よりも若干有利な配分を受けられるなどのメリットがあります(石川県かほく市より)
今まで県の許可が必要だったところが、市の権限でできるようになるということね
ちなみに、人口が減少してしまっても、一度市になった自治体はそのまま市のままでいることができるそうです。そのため、北海道の歌志内(うたしない)市は人口が3千人を下回っていますが、歌志内市のままです。(令和3年時点)